こんにちは 日本共産党宮内きんじ です
 ここでは、すさ民報などに掲載した主な記事を紹介します。 全紙面は すさ民報のページを開いてみてください



10月1日から施設介護サービスに重い負担
        
       
居住費と食費 全額自己負担

                   
負担軽減を求めて宮内議員が一般質問

 介護保険の改正案が先の国会で成立しました。その中身は、国民にいっそうの負担をおしつけるものです。宮内議員は、10月1日から施行される新たな負担の問題など、介護保険の見直しへの市の対応を質しました。
 しかし、市長はこの改正の詳細がはっきりしないと答弁し、市民が現実にこれから受ける苦しみへの思いが伝わりませんでした。


介護保険改正の不安にどう応えるか

宮内議員 介護保険改正法案が6月22日、自民、公明、民主の賛成で可決成立しました。予防重視システムへの転換などが含まれています。この法案提出前、新議長も介護に関わる人々から様々な不安の声が出されています。それらに対して、市としてどう対応するかお聞きします。

年間負担増 40万円の人も

 10月1日から介護保険施設サービスでは、ホテルコストと言って、居住費と食費を全額自己負担にします。これまでは介護保険の適用で一割負担でした。そのため、全国試算では施設入所者一人当たり年間40万円の負担増になるといわれています。私の試算でも、保険料第4段階の人は、現在の月額5万6千円から8万7千円になるため、年間では37万円の負担増となります。

税制改悪で非課税が課税に

 また、来年度から税制の改悪で、これまでの非課税が、課税される人が100万人増えるといわれています。そのため負担が大きくなる人もいます。

年金7万円では負担のほうが多い

 特養ホーム準個室入所者で、60代の年金月額7万円の人は、現在食費1・5万円、介護保険負担2・5万円、合計4万円です。10月1日から居住費4万円、食費2万円、介護負担2・5万円、合計8万5千円となり、年金7万円だけでは暮らせません。
 こんな場合、いったいどうすればいいのでしょうか。


介護保険が壊滅するから

野村市長 介護保険法の改正が行われたところですが、まだ詳細が明示されていません。政省令が出来てみないと細かいことはわかりません。
 このまま行くと介護保険は壊滅するということから見直しになっている。

他の制度で対応する

 施設介護と居宅介護のバランスをとるための見直しでホテルコストの居住費と食費が全額自己負担になった。家にいれば食費、居住費は自己負担だからと言う考えです。しかし、払えない方を無理やり退所させることはできません。別の制度で対応することになります。

独自の事業もしている

 日本の高齢者は資産を持っています。がけっぷちにきた介護保険を持続させるために負担をお願いしているわけです。しかし、本当に困っている人には手当てをもうけています。萩市も独自に特例を設け対応しています。


各種制度で対応しても負担は増える

 やっていけない人は、最終的には生活保護で救うと言うのが市長の姿勢です。独自の対応をしていると言うのは「社会福祉法人等利用者負担軽減事業」のことです。しかし、条件はかなり厳しく、該当する人は絞られます。また負担軽減は2分の1です。この制度があることは評価できますが、今回の負担増の対策になるかというと、決して十分とは言えません。負担増がもろにかかる人がたくさん出てきます。
 もう少し対象の幅を広げた、支援策が必要ということを宮内議員は求めています。



家事援助が受けられなくなる?
    
要介護1 要支援の人    どう対応するのか

宮内議員 改正介護保険では、要介護区分が変更され、要支援の人と要介護1の一定部分(7〜8割)の人が、要支援1、要支援2に移行することになります。萩市では約1100人と推定されています。要支援1および2と判定された人は、新予防給付を受けることになります。この新予防給付では、原則として家事援助・生活援助サービスが禁止されるといわれています。「筋力向上」「口腔ケア」などを中心にするといっています。これまで要支援、要介護1で、家事援助・生活援助で生活を継続して来た人がサービスが受けられなくなると一体どうなるのか。市民生活への影響をどう見ているか。新予防給付での家事援助、生活援助をどうするのかお聞きしたい。


必要な人には継続したい

野村市長 家事援助、生活援助を受けている人が、受けられなくなったらどうするか。必要な人にはサービスを継続したい。その見極めを行っていく。サービスの主体は自立支援のみまもりに移していきたい。


市が責任持って必要な人への継続を

 野村市長が、「必要な人には継続する」と約束したことは大事です。政府が家事援助、生活援助の原則禁止を打ち出したときの理由は、サービスを受ければ介護度が悪化していると言うものでした。そんな事実はありません。介護サービスを受けることによって生活が維持できていたわけです。必要だからサービスを受けていた人がほとんどです。その人たちからサービスを排除すれば、高齢者の生活を苦しめるだけです。筋力トレーニングなどでの筋力向上だけで生活は支えることはできません。実態に即した、適切なサービスの提供を市の責任で継続すべきです。


サービスの後退 負担増が懸念される
 「地域支援事業」
(介護認定されていない人が対象の事業)


宮内議員 要介護、要支援に認定されていない人に実施される「地域支援事業」についてお聞きします。この地域支援事業は、これまで住民健診を行ってきた老人保健事業、配食サービスなどを行ってきた介護予防地域支えあい事業、在宅介護支援センター運営事業の3事業を再編するものです。

国負担なくし  住民負担導入

 一番の問題は、これまで行政が全額負担する税方式で行ってきた事業から、国の負担を減らし、住民の保険料負担を持ち込むことです。

事業の総費用に枠をはめる

 もう一つは事業の総費用に枠をはめることです。「保険給付費の3%程度」と言われています。
 これにより、住民サービスの低下や利用料負担の引き上げになるのではないかと言う不安があります。どうなるか示していただきたい。

萩市では1億4000万円 十分か

 萩市では介護保険給付費は46億2000万円ですから、その3%は1億4000万円です。これで十分にサービスが充実できるのでしょうか。


予防で保険の状況が 良くなれば対応できる

野村市長 介護給付費がふえ、少しでも介護保険の負担を少なくしようと言っているのに、国は負担を軽くし、自治体には負担を増やすのはどういうことなのか。一般的には介護予防事業を行って、介護保険を使わない人が増えれば、介護保険の状況が良くなって、対応ができるようになるのではないかと考えている。


不安に何も応えていない

 介護予防のためのサービスに保険負担の導入を行うことは、自治体の介護保険財政を圧迫します。それは保険料の引き上げにつながります。また、費用上限を設けることは、サービスの充実をはかろうとすれば、利用料の負担増を招くのは必至です。
 この住民の不安に、市長の答弁は何ら応えていません。

介護保険見直しの問題点ぞくぞく


 宮内議員は9月定例議会の一般質問で、前号でお知らせした問題点の他にも非常に不透明で心配されることを質しています。時間切れで、市長の答弁がなかったものもありますが、その要点をお知らせします。ぞくぞくと不安が生じていることがわかります。


地域包括センター 十分な対応出るか

宮内議員 改正された介護保険では「予防重視システムへの転換」が言われています。その介護予防の拠点として「地域包括センター」を新設し、保健師、社会福祉士、主任ケアマネージャーを配置することになります。

要支援1・2の人のケアプランなど

 この包括センターでは、要支援1・2となった人のケアプランの決定、「地域支援事業」の運営、相談業務を行うことになっています。(「地域支援事業」は要支援、要介護の認定を受けない人に実施する事業です。住民健診などを行ってきた老人保健事業、配食サービスなどを行ってきた地域支えあい事業、在宅介護支援センター運営事業の3つを統合再編するものです) 

1か所で550人のケアプランできるか

 包括センターでは、要支援1・2の人のケアプランを決定することになります。改正された介護保険制度では、これまでの要支援の人と要介護1の7割〜8割の人が、要支援1と要支援2になります。この人数は萩市では1100人と予想されています。
 萩市で2か所の包括センターを設けたとしても、1か所で550人に対応しなければなりません。現在のケアマネージャー一人当たり50人でも対応できないと言われているのに、保健師が一人で550人のケアプランを決定できるのか。いくら作成業務をケアマネージャーに委託できると言っても、指示・決定・評価は保健師の仕事です。この体制で十分な対応ができるのか。


主張踏まえ検討をする

野村市長 一人50人でも大変だったが、550人の対応ができるかと言うことでした。これもやって見てどうなるか。詳細が明らかになっていませんので、主張を踏まえて、検討していきたいと思っています。


財源保障なければサービス低下

 包括支援センターの人員体制が不十分となれば、増員するのでしょうか。その増員分に国や県の財政支援はあるのでしょうか。現在の基準のままでの財政措置しかなければ、増員分は市か、介護保険、利用者の負担になります。結局、市民負担が増えることになります。実態に合わせた体制をつくれば、負担が増え、負担を軽くするためにはサービスの質を落とすしかないわけです。国がきちんと財源保障する仕組みがどうしても必要です。しかし、小泉政権で社会保障費削減が進められていくなかでは、とても期待できません。


今後の施設整備はできない? 介護保険見直しで

厚労省が示す新しい施設整備基準では困難

 介護保険の見直しとして、施設整備の仕組みが変えられました。萩市には、高齢者世帯での施設入所の要望がまだまだあります。9月議会でも、日本共産党の山木好弘議員などが一般質問をしているように、一人暮らしや高齢者だけの世帯では生活支援ハウスへの入居要望や特別養護老人ホームなど施設介護への期待があります。待機者もかなりの数にのぼっています。ところが、新しく施設を整備するための基準が変り、非常に困難になっています。その点を宮内議員が指摘しています。


補助金から 交付金に なってどうなるか

宮内議員 市民からの施設介護への要望は依然と強い。ところが、新しい施設整備については、これまでの補助制度が変って、交付金化されました。県のつくる特別養護老人ホームなどの整備・環境改善計画や市町村がつくる地域密着型サービス拠点・介護予防拠点の整備計画に国が一括して交付金を出す仕組みです。「地域介護・福祉空間整備交付金」と言うものです。

要介護2〜5の人の 37%という基準では整備できない

 厚労省が示した新しい施設整備基準(参酌標準)では、2014年度までに現在の要介護2〜5の人の37%までに抑制せよと示されています。

萩市ではすでに45%

 萩市の要介護2〜5の人は1689人です。その37%となると624人。ところが現在の施設入所定数は、768人です。これは45・5%となっており、大幅に上回っています。

対象施設が拡大されいっそう厳しい

 さらに介護施設の対象が、介護3施設にこれまで別だった有料老人ホームと認知症グループホームが統合されました。そのため、ただでさえ施設整備率が高い地域で、さらに有料老人ホームができると他の施設整備の可能性はなくなります。

国際大学の福祉系学部再編との関係は

 萩市では萩国際大学が社会福祉系の大学に再編されるなかで、有料老人ホーム建設も考えられます。
 この施設整備の基準変更に、どんな方針で対応するのかお聞きしたい。


65歳以上の保険料段階増える

 今回の見直しで、65歳以上の人の介護保険料の区分が1つ増えました。これまでの第2段階が、新しく第2段階と3段階にわかれ、標準が第4段階(市町村民税本人非課税)になりました。これまでの第2段階は、市町村民税が世帯で非課税の人でした。これが新第2段階は、世帯非課税で「年金収入が80万円以下で年金以外に収入がない人」になります。第3段階は、世帯非課税で、新第2段階以外の人となっています。


さらに増やす方針はないか

宮内議員 65歳以上の保険料の段階区分が増えました。現第2段階が、新第2、第3段階になりました。さらに、新第5段階以上については段階区分や保険料額の設定が保険者つまり市の判断に任されることになりました。萩市ではどんな方針で臨みますか。


時間切れで答弁なし

 以上の質問を行いましたが、時間切れとなり、市長答弁はありませんでした。



十分に議論する環境作りを

 萩市議会の一般質問は議員一人当たり1時間の制限があります。6月、9月の質問の状況を見ると議員と市長の議論が噛み合わないところが見られます。特に、質問に対する市長と教育長の答弁が長く、議論が深まっていません。
 完全な一問一答方式の導入など、聞いている市民にわかりやすい方式を採用し、時間を延長するなど、十分な議論ができる環境作りが必要です。


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