欧米では「マクロビオティック」、日本では「正食」と呼ばれています。
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私たちは、ふだんどんなふうに毎日の食事をとっているのでしょうか。たとえば、今日の夕食。何を食べようか、何をつくろうか、というとき、どんなことを基準に献立をきめるのでしょう。
好きだから=嗜好、栄養があるから=栄養学、簡単だから=ファーストフード、見た目がおいしそうだから=添加物・農薬、珍しくて高価だから=グルメ、安くてたくさんだから=価格破壊・・・。
そんな理由のほかに、安全性を求めてオーガニックを選んでくださる皆さんがいます。
化学物質や人工飲料、動物性食品、三白(白砂糖、白米、化学調味料)の害が私たちの食卓に進出し、さまざまな病気の原因となっていること、戦後から続いた栄養学の間違い、時間とお金をかけて環境を汚染しながら運ばれる食べ物、低賃金労働の犠牲の上にある低価格競争、生産者とのつながりが薄れ、信頼関係が失われつつある流通現場・・・などの問題が明らかになってきている今。 何を食べるか、何を選ぶか、ということは、日々の暮らしの中でも重要なファクターになってきていると思います。
ここで紹介する「マクロビオティック」は、さらにもう1歩「食べ方」に踏み込んだ基準です。何を選ぶか、だけでなく、どう食べるか、について理論づけられています。
──────────────────マクロビオティック」の基本は主に、以下の4点にあります。
1.穀物菜食
2.身土不二
3 一物全体
4 陰陽調和
これらを大雑把に総合すると、自分の住んでいるところ(国産)の有機栽培で育てた穀物や旬の野菜を中心に、皮から根っこまでまるごとの命を、陰陽のバランスが整うように食べること、となります。たとえオーガニックであっても、肉や牛乳、砂糖、アルコールなどは摂りません。さらにこまかく「食べ方」については、よく噛んで時間をかけてゆっくり食べて、食べ過ぎないこと(粗食・少食・咀嚼)とあります。
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「マクロビオティック」というと、かつては、あれもだめ、これもだめ、と厳しいきまりばかりのようなイメージがありましたが、それは「病気を治す」目的があるからこそ。病気の原因は、それまでの「食生活のまちがい」と「生活行動のまちがい」にある、という考え方から、「食い(悔い)改め」て、正しい食生活=「正食」の道を歩むことで病気が治る…という理論なのです。
難しいことのようですが、実際やることはいたってシンプルです。玄米、雑穀を主食に、旬の根菜、海草を使った味噌汁や煮物、たくあんや梅干などの漬物、番茶があればおおまかなところOKなのではないでしょうか。あとは補助的に「食養」アイテムのてっかみそ、玄米スープ、ヤンノー、コーレン、タンポポの根、梅エキスなどを適宜。(治病食の場合は、もっといろいろと細かくなります)
料理は簡単になるし、ゴミは出ないし、油もあまり使わないので洗い物も楽。
体調も快調、お通じも快腸、ダイエットにもなって肌もきれいになる…と、いいことづくめ。
それだけでなく、自然のリズムに寄り添った食生活を続けていくと、心も穏やかになり、自然と感謝の気持ちに満たされて、毎日が楽しく幸せに…。
などと言うと新興宗教のようですが、そこまで極端でないにしろ、食が変わればからだも変わり、からだが変われば心も変わる、ということは道理であろうと思われます。
(上記 「てくてくネット」より引用)