こんにちは 日本共産党宮内きんじ です
 ここでは、すさ民報などに掲載した主な記事を紹介します。 全文は すさ民報のページを開いてみてください

弥富診療所の医師 早く確保を

市北部の医療拠点に


弥富診療所

 宮内きんじ議員は2005年6月定例萩市議会一般質問で、合併により医師がいなくなった弥富診療所の医師確保と今後の運営方針について質しました。

 弥富診療所の医師確保については、先に別の議員が質問しており、市長は次のように答えています。

当っているが 公表できる段階ではない

 「合併時に医師が退職してみなさんが困っていることは承知している。しかし、突然のことですぐに医師の確保は難しい。時間をいただければ対応できる。」「今回、地域医療推進課を設け市民病院と各診療所の連携で地域医療をすすめていこうとしている。医師確保については、2〜3あたっているが、公表できる段階ではない。公募も考えているが、現在の医師確保の努力の推移を見て考えていきたい。常勤医師の確保に向け最大限の努力をしている。」

医師確保の恒常的対策が必要
 
宮内議員 医者がいなくなってから医者を確保するのは非常に難しいということが、この間の状況でよくわかっています。医師確保に向けた恒常的な対策が必要だということではないでしょうか。医師確保のための奨学金の創設、また地元出身医師の組織化、例えば名簿をつくって、メーリングリストに載せて、常に情報を提供していく、そんな方策も必要ではないか。

自治医大で対応する

野村市長 医者がいなくなってから確保することは難しい。いまでは、自治医大が発足しました。萩市内の離島あるいは各旧町村単位の診療所の医師についても自治医大から派遣されることにより、かつてのように台湾や韓国にお願いしてまわるようなことはせずに済んでいます。しかし、まえもって1年2年3年ぐらいの期間を持って自治医大と交渉したり準備が必要です。ある日突然医師がいなくなったからお願いしますといっても、医師の派遣計画があり、全国にわたるわけですからなかなか難しい。当初は簡単に考えていましたが、なかなか大変なことだと気が付いたわけです。

理想は出身者

 いま奨学金を用意することより本来国が制度として作ってくれた自治医大を活用することだと思います。ただし急には動かないから、その間には、地域医療推進課による医師確保の推移を見ながら、自治体病院協議会のルートとか、民間のルートとかそういったことでお願いをしています。一番理想的なことは地域の出身のかたが、お帰りをいただくことが望ましいと思います。どういう結論になるかしばらく時間をいただきたい。

出身者への 情報提供を恒常的に

宮内議員 医者の確保はむずかしい。出身者の医者が帰ってくることが一番いいということですが、地元の情報が伝わらない。もっと積極的にこちらから情報を伝えていくことが大事ではないか。今ここにこういう空きができた、数年先にはここで定年が来ると情報を伝えていくことで、出身者の医者も腹積もりができるのではないか。
 それともう一つ特別参与に、この仕事の権限を付与していただけないか。

野村市長 今回の場合はある日突然の話でした。そして医師の立場に立ってみれば、人生設計を変える話ですから、話を聞いたから翌日からとか、一年というのも無理でしょう。市民病院に来ていただける方々も、家庭の事情もあり、お子さんの進学とかいろんな問題があるわけです。相当前に派遣計画を立てていかなければならない。今回はあくまで緊急事態であります。

まだ見通しはつかない   住民の動きがカギを握る

 宮内議員は質問の後、次のように感想を述べています。

「市長の回答を見ると具体的な候補はいるが、見通しがついていない状況と思われます。これから考えると、住民がどう動いていくかということがカギを握るのではないでしょうか。
 住民からの直接的な要望や請願が出ることにより市長や執行部の認識も変わり、また、医師も弥富に行って住民のために働こうという気になるのではないかと思います。これから住民のみなさんといっしょに運動をつくって行きたいと思います。
 また特別参与に権限をと求めめましたが回答がありませんでした。元町長には責任がありますので、大きな仕事として取り組んでもらいたいと思います。
 いずれにせよ、行政も住民もいっしょになって医師確保を図らねばなりません」



北部の医療拠点の考えがあるか

 続いて弥富診療所の位置づけについて、北部の医療拠点としての整備を迫りました。

宮内議員 弥富診療所を市北部の医療拠点として位置づけているか確認したい。
 弥富診療所というのは設置をするとき住民が鍬とテミをかたいで、協力している。ヴォランティア活動をしている。そうやってつくったものですから、自分達の診療所だという気持ちが非常に強い。自分達が作った大切な宝が合併でなくされてはたまったもんじゃない、私たちの命と健康を守る砦だと思っているわけです。
 そういう思いが強いですので、この診療所を市北部の医療拠点としてこれからも維持していただきたいという声が寄せられています。どう考えますか。

拠点としてはどうか  医師確保を先行 並行して議論する

野村市長 そもそも医療体制というのは、一次医療、2次医療、3次医療という形で体制が組まれています。かかりつけ医等の1次医療については診療所含めて行われています。入院診療を行う2次医療、この2次医療まで弥富診療所で担っていただけるか、医師の確保が先行していますので、その後に議論ということになろうと思います。

入院考えると問題ある 一人の医師では難しい

 その過程で勤務条件などが整えば可能と思いますが、現状では入院までを考えますと、一人の医師の確保でなく複数になってしまうとか、いろんな問題があります。前任の診療所長は献身的な努力をされてきて、両役を担っていただいていますから、今回それを一人でやるというのは難しい面があろうかと思います。なお今後の課題としているわけです。
 診療所としては当然であるが、拠点として捉えるかどうかは今後の課題と思います。弥富地区だけでなく小川地区も含めた診療体制ということですが、どの程度充実できるか、まず医師の確保を先行させ、並行して議論していきたいところです。

入院施設はどうなる

宮内議員 入院施設の再開ついては、有床の医療施設は医師の確保と絡めて非常に難しいといわれました。医師が決定してから検討されるだろうと思います。

救急体制がある

野村市長  入院施設の再開は今申したところです。なかなか対応が難しい。旧萩市内における見島、大島におきましても外来のみの対応です。救急体制は島嶼部では、船、自衛隊のヘリ、救急搬送指定船でおこなっていますが、弥富の場合は陸路で救急体制がとれるわけです。どのようにするか一つの論点だと思います。



須佐診療所はどうするか   住民が勝ち取った施設

        戸を閉めたままではいけない


宮内議員 須佐診療センターの施設をどうするかということについても新しい医師との協議の中で方向性が示されるのかと思っています。これについても皆さんに御理解いただいておきたいのは、この須佐診療センターも当時、須佐に診療施設が無かった当時、町長をリコールするかどうかというところまで発展していきました。そうやって住民が勝ち取った施設です。その診療施設が、何も使われないで戸が閉まっているのは耐えられないことです。

公的診療機関が必要

 弥富診療所を作った当時の村長は、自分の身内が開業しているにもかかわらず公立の診療所を作ったわけです。同じように公立の診療施設を地域においていただきたいというのは住民の率直な気持ちではないでしょうか。どういう方針なのかお聞かせいただきたい。

僻地に該当しない 医師は困難

野村市長  須佐診療所は僻地診療所に該当しない。他の診療施設がある。ここに僻地診療という形で医師の派遣は困難です。今までは須佐・弥富共通した形での医師の確保いうことでしたが、今回の場合なかなか難しくなって来ると危惧しているところです。いずれにしても、医師の確保が出来た段階で早急に決着をつけたいと思います。

福祉施設 やまびこ はどうする

宮内議員 やまびこ、正式名称は高齢者保健福祉支援センターです。来年からなくなるのではないかという声まで届けられています。どういう方針で臨むのか、運営されるのかお聞かせいただきたい。

原則民営化が方針  早急に結論出す

野村市長 やまびこの方針は、当然これは福祉施設でありますので、今までどおり施設は維持しますが、合併協議の中で福祉施設は原則民営という形で結論が出ています。中期的な観点で民営化を検討すべき施設であろうということです。旧萩市域におきまして、養護老人ホーム指月園も3月1日、指定管理者制度により民間移管を果たしたところです。そういう中でこの施設をどうするか、早急に結論を出していかねばならないところであります。原則は民営するという形で合併協議で謳われているとおりです。

山木議員 小川に診療所  弥富診療所基金で約束あった 

 日本共産党のもう一人の山木好弘議員(田万川町上小川)も北部の医療体制の確保について一般質問で取り上げました。

山木議員 小川は無医地区になっています。診療所を開設するためにいろんな医師に当たってきました。8人目に当時の弥富診療所長の松原医師に相談しました。松原医師は合併すれば現在ある基金5億7000万円の1億円を使って小さい診療所を建て、弥富診療所を2人体制にして、3地区の医療を行いたいといっていました。ところが、合併時に基金が無くされて、約束は果たせなくなったといわれました。こういう約束もあったのですから、小川にも診療所を建ててもらいたいが、どう考えていますか。

小川も僻地医療の対象にならない

野村市長 松原医師との約束は初めて聞く話だ。基本的には僻地医療は国が責任を持つ。僻地医療の基準は、半径4q以内に他の診療施設が無い、圏域に1000人の人口、他の医療機関に公共交通機関を使って30分以上要する、という条件に全てに合致しなければならない。小川は最後の30分要するというところで対象にならない。国の助成をもらって設置するのは難しい。弥富診療所の医師確保が先決。それに全力を挙げたい。

田万川ではガンなどの死亡率高い

山木議員  年に医療問題のシンポジウムを開いたときの資料ではガン、脳卒中などの死亡率が田万川町は高い。須佐は低い。田万川町の実態を見ればどうしても必要ではないか。
野村市長 早期発見早期治療は大事である。小川地区の医療の今後は交通手段のネットワーク化で対応を検討したい。弥富診療所は、核である。



基金の取崩しが小川地区にも悪影響

 この山木議員の質問で、松原前所長が合併前にあった5億7000万円の基金の一部で小川に診療所を設置し、医師を2人体制にして、北部の医療を充実する考えをもっていたことが明らかになりました住民の要求としては当然の方向です。弥富診療所には小川からもたくさん患者が来ており、5億7000万円の基金の造成には大きく関与しています。基金を崩さなければ、可能性は高かったわけです。当時の合併協議会が無理な要求をしたことが、北部の医療に大きな悪影響を与えたわけです。

弥富診療所が 地域医療の「核」と市長も認める

 もう一つ大きな前進は、野村市長が弥富診療所が地域医療の「核」だと認めたことです。小川の医療を考えるとき弥富診療所を抜きには考えられないということです。市北部の拠点とすべきという宮内議員の質問には明確に答えませんでしたが、山木議員の質問ではっきりと述べたことは、大きな前進です。




市北部の医療保健福祉拠点 住民の命と健康を守る砦

 弥富診療所は、市北部の医療・保健・福祉の拠点として充実整備する必要があります。旧須佐・田万川における唯一の公的医療機関です。市長は須佐診療センターは再開に消極的です。しかし、弥富診療所と須佐診療センターは不可分の関係です。民間医療機関があるから必要ないというのなら、旧萩市で市民病院を建てたのはどうしてでしょうか。須佐診療所を存続することを町民は望んでいます。また、小川に診療所を設置することも考えるべきです。

1・5次医療を

 入院施設を持つことがすぐに2次医療ということにはなりません。「遠くの病院に入院するほどではないが、経過を見る必要がある場合。2次医療から重症期の治療を終え、回復期を過ごす場合。自宅に近いところでの入院」など1・5次医療の位置づけです。

民営化でサービスが 低下する恐れ

 市長は福祉施設である「やまびこ」は、中期的に民営化するといっています。民営化すれば、利益が優先されて、住民への福祉サービスが2の次になってしまいます。サービス低下か負担増が住民に押し付けられるおそれが高くなります。とくに僻地にある須佐・弥富・江崎・小川では条件がいっそう不利になります。民営化は住民にとって非常に危険なものになります。

医師二人体制で 3地区の医療を

 将来的には、弥富診療所に医師を2人以上確保し、弥富、小川、須佐の地域医療を担う中核施設として充実していくことが、住民の願いです。合併という行政の枠が取り払われたことのメリットを活かす方法でもあります。生活基盤の安定は最優先されるべきです。




弥富の区長13 人 診療所医師確保を市長に要望  7月4日


市長に要望する弥富の区長さんたち 05/07/04

13区長連名の要望書  当日は9人が参加

 弥富診療所の常駐医師が不在のまま4カ月経過しています。近隣の医療施設からの支援で週3日半日ずつの診療が行われています。この状況の中、弥富の各部落の区長(行政推進員)さんが、7月4日、弥富診療所医師確保を求める要望を野村萩市長に行いました。

 代表して8区の区長さんが、弥富の全13人の区長連名の要望書を読みあげ、野村市長にぜひ早期に常駐医師を確保して欲しいと述べました。

 野村市長は「一般質問で答えたことが全てです。自治医大で対応するのが基本です。無医地区に医師が派遣されるようになっていますが、準備が必要です。今回は松原医師が急にお辞めになって、地元で開業されていることで(自治医大で対応するには)条件が悪い。市としても努力しているところですが、医師の人生設計もあり簡単には決まらない。2、3あたっている。
 できれば弥富や萩出身の人を探すのが一番良いと思う。このたび東京指月会(萩高校同窓会)の新しい会長に浅田さんが就任された。聞いてみると弥富の出身で東京大学医学部を出ておられる。こんな人もいるわけです。今は伝を頼っている状況ですが、全国公募することも考えている。」と述べました。

※市長は「浅田さん」といわれていますが、萩中44期(昭和19年、1944年卒)の浅野哲さんと思われます。同窓会名簿によると東大医学部卒、公立昭和病院名誉院長です。

原状を回復して欲しい

 区長と市長のやり取りを要約してお知らせします。

区長
 できるだけ原状への復活に近づけて欲しい。入院施設を含めて復活をお願いしたい。
市長 入院施設について、松原医師は献身的だった。あの状況なら2人の医師が必要。とりあえず今は医師に来てもらうことが先決。それから相談する。、候補がいれば市長としても会いに行きたい。

鈴野川から バス使えば半日

区長 鈴野川からは朝バスに乗って弥富まで20分、須佐へ行けば40分。半日は必要で大変な状況です。また、かかりつけの医師が替わるのは非常に不安です。また、弥富診療所は地元の経済面でも大きく、早急に医師を確保して欲しい。
市長 旧萩市の三見や越ヶ浜にも医師がいない。弥富のことをいうと、こっちはどうするという声もある。しかし、弥富にはすでに施設があり、これまで医療を行っていたわけで、優先しなければならない。なるべく早く対応したい。

野村市長なら 簡単にできる

区長 野村市長で市立病院が建てられ、医師も招聘された。その実績、手腕を持ってすれば弥富の医師も簡単にできるのではないかと思っている。
市長 私も簡単に見つかると思っていた。しかし、実際はなかなか医師がいない。小児科医を確保するのも苦労した。

弥富に是非きてほしい

 最後に区長代表が、ぜひ一度弥富に来て住民と懇談して欲しいと要請しました。市長も盆すぎから年末にかけ、市内の各地域を回る予定で調整している。ぜひ弥富にも行きたいと答えています。

 この要望には9人の区長が参加しています。また弥富の4議員にも出席要請があり、宮内議員、広兼議員、林議員が同席しました(立野議員は欠席)。市からは保健福祉部長、市立病院事務部長も出席しました。

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