こんにちは 日本共産党宮内きんじ です
 ここでは、すさ民報などに掲載した主な記事を紹介します。 全紙面は すさ民報のページを開いてみてください
   
      地元業者に仕事を確保せよ  宮内議員一般質問
2005/09/25
 9月定例議会での宮内議員の一般質問の内容をお知らせします。今回の質問では、時間がなくなり、市長の答弁が途中で打ち切られました。前号で、弥富診療所医師の質問と市長の答弁は紹介しました。今号では、不況に苦しむ地元業者に仕事を確保するようもとめ、具体的提案を行いました。
 市長の答弁は、市内業者の苦しみに何も応えない冷たいものでした。以下に宮内議員の質問と野村市長の答弁の要約をお知らせします。 

公共事業が回って来ない 民間の仕事が全くない

宮内議員 6月以降、市内小規模建設業者と数回の懇談を行いました。その中では

「景気が良くなったと言うが、全くそんな状況ではない」
「公共事業もうけたいが、小さい業者は相手にされない。大きな仕事も小さな仕事も回って来ない」
「民間の仕事が全くない」
「誰も見向きもしない条件の悪い仕事を拾いながら息をつないでいる」

という切実な声が出され、何とか行政の対応が必要考えて、今回の質問になっています。

中小企業経営者の自殺が年間4000人

 全国の自殺者が年間3万人を超え、そのうち中小企業の経営者が4000人自殺していると言う報告があった。
 小泉首相による構造改革が、金融機関の貸し渋り、貸しはがしということを引き起こし、中小業者の経営が非常に厳しくなっている。健全経営しているところでさえ資金を引き上げるというが起こった。小泉首相がさらに「改革を止めるな」といい与党公明党が「改革を前に」と言う中で、中小業者の苦しみは一層深くなるおそれが高い。
 萩市は中小零細業者が主体。地域経済に少しでも活力を与えるためには、ここにてこ入れが必要だと思います。

600億円の市予算をどう地域経済活性化に結びつけるか

 年間600億円の市の予算とその中で行う公共事業を、どう地域経済活性化に結びつけかということが課題です。どのような方策を考えていますか。
 小さい業者から出された声として「公共事業に入ろうにも仕事が回って来ない。地元業者が元請けしても、下請けは市外に流れる。特に山陽側からくる。どうにもならない厳しい仕事しかこない」
 直接請け負うことができるように体制を整えたらどうかというと「元請けしようとしても資金が確保出来ない。零細業者は自転車操業で資金繰りが大変だ」と言われる。
 行政としては今後どんな対策を考えていますか。

市内業者への配慮をつづける

野村市長 萩市内の景気がどん底にあることは承知している。市内業者への発注を優先的に考えている。配慮をつづける。

具体性が見えない市長答弁

 市長の答弁には具体性が見えません。業者の状況は、一刻の猶予もないほど追い込まれています。目に見える形での対策が求められているのに、何も示せないようでは行政の努力のレベルが問われます。

   
小規模工事登録制度の創設で小業者にも仕事を

宮内議員 市内の小さい業者への対策として、地元小規模業者の受注機会を増やすための小規模工事登録制度の創設を提案します。

130万円以下の工事

 この制度は、市が随意契約で実施することができる水準の小さい工事や請負について、登録した業者に発注する仕組みです。

許可も審査も不必要な登録だけで

 登録は、現在ある「萩市指名競争入札参加資格審査」を行ってない業者を対象とした登録制度です。建設業許可の有無や経営組織、従業員数を問わないことや経営事項審査も不要とする簡単な手続きでできるものです。

全国にたくさんの事例

 全国の例では、工事請負額が20万円、30万円、50万円、随意契約の上限である130万円までとなっています。
 こういう登録制度を設け、本庁、各総合事務所ごとに業者の登録を行って、小規模業者の経営対策の一つとすることを考えてはどうでしょうか。

指名入札登録業者を 優先する

野村市長 市の公共事業は指名競争入札を原則としている。その入札に参加するには登録制度を設けている。基本的にはこの登録をしてもらう。現在でも20万円以下の修繕などは登録のない事業者にも発注している。旧町村の範囲でも配慮している。
 入札登録している業者も厳しい。経営努力している業者を差し置いて、小さい業者を優先するという論理にはならない。
 なにか具体的手当てができれば知恵を出したい。

棲みわけ必要 市内業者実態知るべき

 市長は「経営努力」といいますが、指名競争入札参加業者への登録は、一定規模以上の業者でなければ経営メリットはありません。小さい業者は特別な理由がなければ、指名を受けることは非常にまれだからです。さらに落札するとなると、現実的には様々なしがらみがあり、非常に困難です。初めから指名競争入札参加資格の登録を考えない業者があるのも当然です。
 指名競争入札参加業者登録しない業者は「経営努力をしない業者」と単純に切り捨てるところに市長の小規模業者への冷たさが見えてきます。もっと市内業者の実態を知るべきです。
 下請けの仕事が回らなくなり、公共事業からはじかれた業者にも、公共事業を少しでも発注する仕組みとして、この提案は具体性があります。工事の大きさで棲みわけることをしなければ、不況の影響をもろに受ける小規模業者はどんどんなくなってしまいます。



住宅リフォーム助成制度で民需の呼び水に

宮内議員 次に民間の需要が冷え切っているという指摘に対する提案として、住宅リフォーム助成制度を創設することを求めます。この制度により民間需要の掘り起こしを進めてはどうかということです。

耐震  介護  環境  景観  林業  定住

 住宅は時間が経てば必ず、修繕が必要になります。そればかりか、現在では耐震改修、高齢者・障害者の介護対策、環境対応、と言う点からも、リフォームの必要性を感じる方々がおられます。そのリフォームに行政が助成することによって、民間の需要を掘り起こし、林業育成、定住対策などの視点もふくめ、地域経済の活性化・中小業者の不況対策につなげていくことを目的とするものです。

事業費の5% 10 〜20 万円

 全国の例では、事業費の5%、10万円までが多くなっています。介護保険との関わりなどもありますので、20万円とするところもあります。
 一番の主眼は、地元業者の活性化対策として、呼び水になるものだと考えます。

現行制度を活用することが原則

野村市長 リフォームについては各種制度があります。介護保険では309件1800万円以上の実績があります。伝統的建造物保存地域では、05年度でも7件3500万円の事業。障害者のリフォーム助成制度もあります。助成制度ではなく融資もあります。
 いまある制度を有効に活用して行くことが原則です。

もう一度検討して

 この住宅リフォーム助成制度の意義をもう一度検討して欲しいものです。
 萩市では、阿武川三角州の軟弱地盤における地震対策、高齢者対策、地場産材の使用による林業の振興、自然環境、景観への配慮などで大きく寄与するのです。
 市長がことさらに強調した「伝統的建造物保存地域」のリフォームですが、それは限定された地域だけのものです。景観の修景は伝建地域にとどまるものではありません。大きくなった萩市全体で景観を守るという観点は必要になります。リフォーム助成制度の中に景観への配慮や地元産材使用などを条件付けることによって、もっと広範囲に修景が進むのではないでしょうか。工夫次第で、他の自治体にはない独自の取組みができる可能性があります。
 市が独自に何の対策も打ち出せない状況の中で、「知恵を出したい」というのであれば、具体的な提案にはもっと耳を傾ける必要があるのでは無いでしょうか。

民需拡大の 意識低い

 宮内議員は次のように感想を述べています。
「市長の答弁にはがっかりさせられます。各種補助・融資制度があるのは承知の上です。今求められているのは、いかにして民需を拡大していくかと言う観点です。現行の制度では対象が限定されます。全市民的に対象を広くすることによって、現行制度の適用から外れた人も利用できる制度が、民需の拡大につながるわけです。それぞれ個別の制度に乗ることができるものは活用し、市独自の取組みで民需拡大をはかることが、地方自治ではないでしょうか。今回の答弁には、その意識の低さが如実に現れています。失望を禁じえません」

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