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なるほど法話 海 潮 音      


宗教 第 5 話  ミニ仏壇のすすめ    

暑い夏とともにお盆の季節がやって参りました。お寺ではこの季節が一番忙しい季節ですが、皆様方には、最もお寺に親しみを感じてもらえる季節ではないでしょうか。

この季節に日本列島は大移動をします。都会での生活で巨大な魔物に毎日もまれてくたくたになった上に、さらに列島移動でくたくたになったのでは合わないのですが、それでも呼び続ける田舎の心に向かうのは、そこに日本人の原点があるからだと思います。

宗教心というものは理屈ではないでしょう。理屈を聞いて納得して、そして入信するというのは、いかにも合理的なようですが、状況が変わると簡単に気も変わってしまうようです。

あるオウムの信者はテレビのインタビュ−で言っていました。麻原教祖は自分を納得させてくれた、だから入信した。しかし、事情が変わって脱会したが、新しい所で心の満足を得ることが出来た、と。そんなに簡単に心の満足というものが得られるものなのかどうか。信者の側にも問題がありそうです。

人間の宗教心というものは、物心がつく前から生活とともに養われるものなのではないでしょうか。おじいさん、おばあさん、お父さん、お母さんが家の仏壇で手を合わせる姿に接し、あるいは手を引かれてお寺に連れて行ってもらう、そんな日常生活を通して養われるものなのだと思います。

家庭こそ宗教心を育てる最も大切な、いや、唯一の場のはずです。その家庭に、仏壇が無かったらどうでしょう。手を合わせる場所が無ければ宗教心は育ちようがありません。核家族の家庭が問題となるのです。

そこで、わが曹洞宗では「ミニ仏壇」(三尊佛)を用意しています。大した費用はかかりません(三千円)。皆様方の分家の方々や都会に出ている息子さんたちのご家庭で、仏壇のない方は多いと思います。そのような方でミニ仏壇をご希望の方は是非お寺へご一報下さい。お待ちしております。 (平成7年8月)


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