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なるほど法話 海 潮 音
社会 第51話 イスラム教徒の人々
一月二十日にイスラム過激派組織「イスラム国」は拘束した二人の日本人の殺害を予告し、身代金2億ドルを要求しました。 それ以来、毎日のように「イスラム国」関連のニュースが続き、遂に同月三十一日、二人目の後藤健二さんを殺害する残虐な映像が公開されたようです。 私などはイスラム教についてほとんど知識がありませんから、ついつい報道される「イスラム国」のイメージでイスラム教徒の人たちを考えてしまいます。知識不足は何とも致し方ないところです。 そこで、エジプトのカイロに留学経験がある次女にイスラム教徒の人たちはどうなんだとメールで聞いてみましたら、面白い返事が返りましたので紹介します。 それは次女のエジプトの友人が、二〇〇九年にエジプトで放送されたラマダン(断食月)特別番組の「日本特集」を見ての話だというこです。 その番組では、日本人はムスリム(イスラム教徒)が守るべきであるとコーラン(イスラム聖典)に書かれていることを全て守って生活している人たちであり、日本人こそが真のイスラム教徒だ、という番組だったというのです。 次女はついでに、その番組を取り上げたネット上の記事を見つけてくれましたので、少し読みにくいですが、具体的内容はそちらからの引用に譲ることにします。 「サウジアラビアのシェイク(イスラム指導者)が日本を訪問し、驚愕した事実を取材して三十日間毎日放映した。視聴者が特に驚愕したのは、日本人は、①時間をきっちり守る、 ②食べ物を残さない、 ③ごみが分別されて収集される、 ④地下鉄や電車の中で他人に迷惑を掛けないため携帯電話を使用せず騒々しくない、多くの人が本を読んでいる、 ⑤生徒が学校や教室を掃除する、 ⑥工事中の労働者が安全靴やヘルメットを着用している、など。 シェイクの結論は、イスラム国家でもない日本でイスラム教の教えが最もよく実践され、イスラム国家では逆のことが行われ恥ずかしく感じた。特に生徒が放課後、自分たちで教室やトイレを掃除するのに驚いた。掃除は使用人や召使いがやる仕事として手を付けたがらない自分たちの姿勢や、ごみをポンポン投げ捨てる生活習慣を反省し、日本に倣って幼い頃から、他人に迷惑を掛けないよう自分のことは自分でする教育を導入しようとの声が上がっているという。」(http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-242.html) これによれば、日本人の日常生活をお手本にしたいと考えているイスラム教徒の姿が描かれています。 「イスラム国」と名乗る過激派組織とは天と地の差があるようです。 (平成二十七年三月) |
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