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なるほど法話 海 潮 音
社会 第35話 小沢一郎幹事長
和尚が新聞の情報をもとに政治のことを書いても法話にならないことは百も承知していますが、私が法話を書く目的の一つに、日本の世の中が少しでも明るいものになって欲しいという思いがあります。そんな思いから、法話にならないことを承知で、今回も致し方なく小沢幹事長のことを書きますが、それは、一人の人間に左右されるような世の中になって欲しくないという切なる思いからに他なりません。
ご承知のように、一月十五、十六日にかけて、小沢幹事長の元秘書の現職議員ら三人が陸山会の土地購入を巡る事件で逮捕されました。
そのような中、十六日に開かれた民主党大会で、小沢幹事長は幹事長職の続投を表明し、さらに「断固として戦う決意だ」と検察当局との全面対決を宣言するという異例の党大会の展開となりました。
幹事長のこのような発言に対し、鳩山由紀夫首相は「(検察と)どうぞ戦ってください」と伝え、幹事長続投を容認したとのことです(『毎日新聞』一月十七日朝刊)。
この鳩山首相の発言も驚くべき発言だと思います。検察庁は行政機関であり、その最高の長である法務大臣を任命するのは総理大臣である鳩山首相自身のはずです。そのようなことを自覚しておられるのでしょうか。
一方の小沢幹事長の考え方も驚くべき内容です。小沢氏が政治の師と仰ぐ田中角栄元首相、及び金丸信元自民党副総裁のお二人は、共に「政治とカネ」を巡る事件で逮捕、失脚しています。
その金丸氏について、小沢氏は、過去の月刊誌のインタビューをまとめた「90年代の証言 小沢一郎 政権奪取論」の中で「もしもみんなして『こんな捜査のやり方はおかしい』と言えば、金丸さんはああいうことにならなかった。(以下略)」と当時を振り返っているそうです(『毎日新聞』同)。数の力さえあれば、黒を白にできるという考えなのでしょうか。
このような考えの人が今夏の参院選について「これに勝利することが、わが党の、鳩山政権の基盤を磐石にする」と党大会で挨拶し、勝利をねらっています。
にもかかわらず、三人の逮捕者を出した直後の十五〜十七日に行われた世論調査での政党支持率は、民主党が36.3%、自民党が24.9%、そして「支持政党なし」が27.6%であったとのことです(日本テレビ電話世論調査)。
私たち有権者は日本の政治が取り返しの付かない状態にならないよう、特に今は、監視の目を光らせておくべきかと思います。
そして一月二十三日、東京地検特捜部による小沢幹事長への事情聴取が「被疑者聴取」で行われました。(22年1月24日)(平成二十二年二月号)
音声読み上げ機能については、日本アイ・ビー・エムの「ボイスらんど」のページ(http://www.ibm.com/jp/voiceland/)をご覧ください。