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なるほど法話 海 潮 音      


生活 第 6 話  お若い夫婦のご家庭にもご仏壇を    

暑い夏と共にお盆が近づきました。お盆にはご先祖さまがお帰りになるし、都会からは息子さんたちが孫を連れて帰ってくるし、にぎやかなことと存じます。
ところで、お盆を契機に年に一度、田舎に帰り、ご先祖さまにご挨拶を申し上げ、親にも元気な姿を見せて安心してもらうという、日本の伝統的風習はとても意義深い良い習慣だと思います。しかし、少しだけ注文を付けたいこともございます。

それは、ご先祖さまは田舎におられるという固定観念を持ってはならないということです。つまり、田舎の親の家に仏壇があるから、都会の自分たちのアパ−トには仏壇はいらないという考えです。結婚以前であれば、それもいいでしょう。しかし、結婚して一家を構えたのであれば、小さくてもいいですから、是非仏壇をおまつりしていただきたいと思います。

なぜこのように申し上げるかというと、これから生まれてくる子供のためなのです。都会に出られた若い方も、小さいときは仏壇のある田舎の家で、仏壇に向かって手を合わせる雰囲気のなかで育ったことと思います。

しかし、都会のアパ−トで生まれた子供たちは、理屈ぬきの宗教的雰囲気を自然に身につけるとても大切な時期を、仏壇の無い、手を合わせるという日本人の宗教的雰囲気の無い世界で過ごさなければなりません。そんな世界で過ごした子供たちが、大人になって「はた」と思ったとき一体どうなるのでしょうか。少なくとも物心のつくまで仏壇のある田舎で過ごしたことのある人と、同じような考えを持つことは出来ないでしょう。

都会に住むお若いご夫婦に申し上げます。是非ご自分のご家庭にも、小さな簡単なものでいいですから、ご仏壇をご用意下さい。田舎でご先祖さまをお守り下さっているご両親も都会のお若い方に是非勧めてあげて下さい。どんなものを用意したらよいかなど不明な点はお寺へどうぞ。(平成8年8月)


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