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なるほど法話 海 潮 音      


生活 第 5 話  エジプトを旅行した女子学生    

この夏、エジプトを旅行した女子学生がレポ−トとして提出してくれたエジプト旅行の感想文の一部を紹介します。

そこで彼女が述べていることは、イスラム教の国に入って感じたカルチャ−・ショックと、それによって考えさせられた諸々のこと、特に女性に関する事柄です。

彼女はエジプトへ行く前は、イスラム教と言えば、一夫多妻制で、一日に五回もお祈りをし、女性が外出する時はベ−ルを着用しなければならない等のちょっときついイメ−ジがあったそうですが、直に接して見聞を深めてみると、それらの習慣・風俗が始まった時代背景など、それなりの理由があり納得できそうだと述べています。

更に、問題を自分自身に引き寄せて、日頃から、専業主婦にはなりたくないし、自分一人くらいは自分で養いたいと考えていたそうで、このような考えは、社会に出て働くようになると、自然に男性には負けたくないという感情が湧いてくるだろうとも述べています。

こういう思いをエジプトのイスラム教徒の女性に話したそうです。するとその女性から「女性を必要とする仕事に就くのはよいが、そうでない仕事には就くべきではない。なぜなら、アラ−の神に死んでから聞かれることは、どんな仕事をしたかではなく、どのような子供を育てたか、どんな生き方をしたかなのだから。日本人は収入がないと仕事とは認めようとしないが、主婦も立派な仕事であることをわかってほしい。」と言われたそうです。

そう言われて、彼女は、主婦というものを低く見ていた自分を見透かされたようだと述べると同時に、「日本では確かに専業主婦の地位は低いと思う。人々の意識の中でも、社会においてもそうだと思う。だからこそ、女性の社会進出問題よりも、専業主婦に対する私たちの意識改革の方こそ、今、必要なのだと思う。」とズバリ述べています。自分の足で実際に異国を訪れ、自分の力で見聞を広めた自信が素直に考える勇気を与えているのでしょう。(平成9年11月)


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