なるほど法話 海 潮 音
生活 第42話 災害大国日本
八月二十八日、山口宇部空港を飛び立ち羽田に向かいました。翌朝、羽田で知人と落ち合い能登空港に向かいました。総持寺祖院で所用があったからです。 当初より能登滞在は九月三日までの予定でしたので予定通り行動したのですが、大型で強い台風21号がこちらに向かっているという報道で気になってはいました。 能登空港から羽田へ戻り、そこで宇部行きの飛行機を乗り継いで、三日の夜、無事に自坊へたどり着き、一安心でした。 翌日のニュースで台風21号が近くを通過した関西国際空港では高潮で空港が使えなくなった上に連絡橋にタンカーが衝突して不通となり孤立状態になったというニュースが報道されていました。 その二日後の九月六日に今度は北海道胆振東部地震(震度7)が発生し、北海道全土が停電するという信じられない事態が発生しました。 このような自然災害が異常に頻発するためでしょうか、つい三ヶ月前の西日本豪雨(気象庁は「平成30年7月豪雨」と命名)では死者が二百人を超えた大災害であったにもかかわらず、記憶が薄れかけようとしています。 そもそも今夏は異常なほどの猛暑で埼玉県熊谷市で41・1℃を記録し、岐阜県の下呂市や美濃市でも41・0℃を記録しており、この日本において人間が暮らせる環境が既に破壊されつつあることをにおわしています。 にも拘わらず実感できないのはエアコンのせいかも知れません。エアコンの効いた部屋にいれば外の猛暑を感じなくて済むからです。 しかしそのエアコンが故障すれば、何処かの病院のようにそのまま死を迎えざるを得ない人が出てきます。 自然の猛威は今年だけではありません。平成七年の阪神淡路大震災、平成二十三年の東日本大震災など平成は災害に始まり災害に終わりそうです。 日本は風光明媚な国でこの国に生まれたことを何よりも感謝している私ですが、この国は自然災害と共に暮らさなければならない国でもあります。 今夏はそれをいやというほど思い知らされました。そのためには日頃心得ておかなければならないことが幾つかあるようです。 例えば、テレビ番組「池上彰と考える自然災害大国日本」では、地震の際、避難する前に電気のブレーカーを落とすことを注意していました。 阪神淡路大震災では停電が起きましたが、数日後に停電が解消されるとあちこちで火災が発生したそうです。壊れた家に電気が通じて起こる二次災害です。 これは一例に過ぎず、他にも注意事項は多々あるでしょう。災害大国日本に住む者として確認しておきたいものと思います。(平成三十年十月) |