なるほど法話 海 潮 音
           
生活 第40話  植木市
      
 初夏の薫風薫る最高の日、一息つこうときらら浜で開催中の植木市に家内と出かけました。

私はこれと言って目当てがあるわけではありませんので、家内の運転手に過ぎません。家内の方は茶花を買うという明確な目的があるようで、現地に着くと広い会場を盛んに動き回っています。

私もせっかく来たのだからと見て回っていますと、「ダイダイ」と書かれた札がくくりつけられている柑橘類の苗を見つけました。

これは何ですかと、店番らしきおじさんに聞いてみました。「これはダイダイですよ。ほら、萩にあるでしょう」との回答でした。

私が萩から来たと知っているわけでもないはずなので、「萩」の意味はどういうことなのかなと考えてみましたが、萩で有名なのは夏みかんです。

確かに私が小さい頃、萩ではこの「夏みかん」のことを「ダイダイ」と呼んでいました。そのことを知っての回答であれば、この苗は「夏みかん」の苗ということになりますので、改めて「酢ダイダイですか」と聞いてみましたら、今度は「そう、酢ダイダイです」との答えでした。

このおじさん大丈夫かなと思いましたが、夏みかんのことを「ダイダイ」と書いて売っているはずもないので二本買いました。

 家内の方はといいますと、「山芍薬」(やましゃくやく)略して「山芍」(やましゃく)を物色していたようです。

店のおばさんに有るかどうかを聞くと、「色は何色」とのことで、「白」と答えると、「無い」、「ピンクは?」、「それも無い」、それじゃ色を聞かなくても始めから無いのでは、と言いたくなりますが、また後で来ると約束して再度訪ねたところ、今度はおじさんが出てきて、花は終わったが白があるとのことで比較的大株のものを出してきたそうです。

結構な値段ですが、植木市も後半の頃に白の山芍が手に入ればもうけ物とばかり購入と相成りました。

 家内には実は娘から頼まれていたものが有ったそうです。サクランボの鉢植えです。

今年から年中さんの三番目の孫が幼稚園で木から直接サクランボを採って食べる経験をしたそうで、その経験をもう一度というのでしょうか、買ってくるよう頼まれたというのです。

家内が孫たちの家に持って行って、そのことを忘れていた頃、電話があり、今年から四年生の長男の孫が腹痛を起こし、救急で病院に運ばれ、入院と言うことになったというのです。果物アレルギーらしいのです。

今の子供たちは無菌に近い状態で暮らしています。私が子供の頃は学校で回虫検査がありました。今は逆にアレルギーです。何ともいやはや、とんだ植木市の一日でした。 (平成三十年六月)