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なるほど法話 海 潮 音      


生活 第 4 話  脳内革命    

『脳内革命』(春山茂雄著)をご存じですか。三百万部を突破したそうですね。私も早速読んでみました。

しかし批判もあるようです。例えば、「現在の脳医学では、脳内の微量物質についてはまだよくわかっていないのに、著者春山さんは脳内モルヒネの効果について断定的に書いている」と。

勿論、春山さんも反論しています。「脳内モルヒネを否定する説もあるが、肯定する論文もたくさんある。」「医学の世界では定説にはなっていなくても、実際の医療現場では、治療に用いられていることがたくさんある。」「私は臨床医の立場として、数々の症例から脳内モルヒネの効果を認めざるをえない」と。

脳内モルヒネについては春山さんの本を読んでもらうことにして、臨床医としての春山さんが脳内モルヒネの効果を使ってする治療とはどういうのかというと、食事・運動・瞑想の三点セットで、次のような説明です。

食事について、脳内モルヒネの材料として高タンパク質が必要だが、あらゆる病気のもととなる血管の目詰まりは主に脂肪で起こるので低カロリ−のものがよく、納豆と米飯の組み合わせは最高である。運動について、脂肪は筋肉の中で燃えるが、その筋肉をつけるためには、二十五才を過ぎたら軽いストレッチ体操がよい。脂肪を燃やすためにはウオ−キングが最適。瞑想について、難しい座禅でなくてもよい。ストレスは「いやだな」と思うこと、その反対の「いいな」と思えば瞑想に通じる。要は脳波がアルファ−波になればよい。そのとき脳内モルヒネが出て自然治癒力がます、というものです。

脳内モルヒネは脳の中でのこと、現実には、植物性タンパク質を中心とした食事をし、車ばかり乗らずに歩いて体を動かし、のびのびとした気持ちで生活をすれば、成人病などにはならないということでしょう。これは、昔からの日本人の生活様式だったように思うのです。欲のつっぱった今の生活の仕方が狂っているということになるのでしょう。(平成8年11月)


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