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なるほど法話 海 潮 音
生活 第21話 その後の初孫
孫はただ今、一歳四ヶ月です。まだ言葉はしゃべりませんが、こちらの言うこと、特に母親の言うことはかなり分かるようです。言葉だけでなく、身振りとか、その場の状況とかを総合的に判断して理解しているのでしょう。動きも大変活発になりました。
先日、とてもいい天気でしたので、小さな芝生の庭に孫と一緒に出てみました。縁台を持って来て私が坐ると、孫もやって来て自分で縁台に上がろうと両手で食らいつき、片方の足をかけて懸命にがんばり、とうとう自分で上がりました。
縁台から落ちないように、先ず片足を、そして両足を何とか前に出して私と並んですわり、何事もなかったような涼しい顔をして同じ方向を見ています。誰か写真を撮ってくれないかなあと思いましたが、大声で呼ぶわけにもいかず、残念ながら我慢をしました。
そんなこんなの気持に浸る暇もなく、孫は縁台から降りると、私の手を引いて歩き始めました。どこに行くのかなと思いつつ付いて行きますと、二段のコンクリート段を降り、ごたごたしている納屋の方に行き、それから踏み石のある狭い通路を通ろうとします。
ここは通路の土が減って踏み石が飛び出ており、まことに歩きにくく、一歳ちょっとの子供には二、三歩あるくたびにつまづいてこけそうな、極めて危険な場所です。孫の母親が「絶対行ってはいきません」と言っているところです。
どうもそれをわきまえているらしく、私を道連れにして行こうという魂胆のようです。私は娘に見つからないように、孫に手を引かれながら、つまづきそうになったら捕まえようと、必死になって道連れになりました。
何とか無事に踏み石通路の冒険は終りましたが、今度は私の手を離し、もと防火用水に使われていた大型石鉢のところに小走りで行きました。そこには大きな金魚が二匹いますので、孫のお気に入りのところです。
石鉢の池の中をしばし見つめたあと、その近辺をぐるぐる回り始めました。土ありコンクリートあり、雨水用の溝あり、石段ありで、踏み石通路に負けない危険地帯です。
私は後からついて回ってひやひやでした。一つつまづいて、へたをすれば石の角に頭をぶつけるかも知れません。孫にはヘルメットがいるなあとつくづく思いました。
小学生は自転車に乗るときはそれようのヘルメットをかぶることになっているではないですか。幼児が外で遊ぶとき用のヘルメットがあってもいいように思うのですが、爺バカの勝手でしょうか。危険のないようにお寺の境内を整備しなさいと叱られそうですのでこの辺で止めておきます。(平成二十一年十一月)
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