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なるほど法話 海 潮 音
人生 第15話 雀と遊ぶ
以前にも雀のことを書きましたが、今回も雀の話です。特別に雀に関心があるわけではないのですが、子供の頃から動物を飼うのは好きでした。
昔は野良犬をよく見かけました。今はほとんどいないですね。野良犬がいれば、子犬もいるわけで、そんな子犬を見かけると連れて帰り、捨ててきなさいと親に叱られても、子犬の方が勝手にいたがるみたいな顔をして飼っていたように思います。
その内、犬の放し飼いが禁止されると、動物を飼うということはしなくなりましたが、つい最近、といっても十年くらい前ですが、猫を飼いました。
これも行きがかり上、飼う羽目になったに過ぎないのですが、この猫については以前、本紙でも書きましたので、ご記憶の方もあるかも知れません。
こんな調子ですから、恐らく動物が好きなのでしょう。「自然の中に真理あり」をモットーとしておりますので、戯けたことをとお笑いにならないでください。
前置きが長くなりましたが、今回は雀の話です。前回、雀のことを書いた本紙を見ますと、平成二十九年六月とあります。飛んでくる雀に餌をやり始めて九ヶ月が経つようです。それにしては雀は馴れてくれないようですね。
雀は集団で行動をするようです。餌を食べに来る雀も二十羽くらいでやって来ます。その中で食べずに見張りをする雀がいるらしいのです。
ですから夢中になって、群がって、喧嘩をしながら食べているようで、少し近づくと一斉に逃げ去ります。無理して買ってきた餌をやっているにも拘わらず、薄情ですね。
かと思うと、ガラス戸の薄カーテン越しに見ていると、軒下の露地は寒風を避けることができるからなのでしょうか、ガラス戸の直ぐ近くに寄ってきて、羽根の中に首を突っ込んで毛繕いをしています。こんな姿を見るのは確かに楽しいです。
しかしこれも集団でいる時だけです。中に見張りをしている雀が何処かにいるのでしょうか。リラックスした様子なのに突然パッと逃げていきます。
でも雀が人間に馴れて逃げなくなれば、絶滅危惧種に指定される時でありましょう。
ときどき「餌泥棒め!」と思うときもありますが、これは私の方が悪いのでして、それは十分承知しておる積もりです。
そもそも雀が人間に近いところで生きているのも、人間の周りに餌があるからというだけでなく、人間のそばは天敵も少ないということがあるからのようです。
それでも二十羽ちかく群がれば目立つのでしょうか。鳩くらいの薄茶色の鳥(猛禽類の長元坊?)が庭にいる雀めがけてスッと飛んできたことがありました。(平成三十年三月)
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