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なるほど法話 海 潮 音      


仏教 第 1 話  子育てに悩む時に    

ある本を読んでおりましたら、『子どもを叱る前に読む本』(平井信義著・PHP)に載っている話として次のような話が紹介されていました。それは小学校五年生の少女が、町の作文コンク−ル(題は「私のお母さん」)で発表したものなのだそうですが、早速ご紹介致します。

《(前文略)私のカァちゃん、バカ母ちゃん。(爆笑)私のカァちゃんはバカです。(また爆笑)野菜の煮物をしながら、洗濯物を干しに庭に出たら、煮物が吹きこぼれ、父ちゃんから「オイ、バカ、煮物が溢れてるぞ」と言われて、慌てて、洗濯物を竿ごと放り出して台所へ駆けこみました。洗濯物は泥だらけです。(爆笑)

「バカだなあ」と言われて、「ごめんね、父ちゃん、カンベンね」とおどける母ちゃんです。しかし、母ちゃんを叱るその父ちゃんも実はバカ父ちゃんです。(大爆笑)

 ある朝、慌てて飛び起きて来て、「ご飯はいらん」と洋服に着替え、カバンを抱えて玄関から走り去りました。すると母ちゃんが、「バカだね。父ちゃん。きょうは日曜日なのにね。また寝ぼけちゃってまあ。」(爆笑)

そういうバカ母ちゃんとバカ父ちゃんの間に生まれた私が、利口なはずありません。(大爆笑)弟もバカです。(笑い)家中みんなバカです。(爆笑)

しかし・・・・・(場内シ−ン)私は大きくなったら、私のバカ母ちゃんのような女性になって、私のバカ父ちゃんのような人と結婚し、私と弟のようなバカ姉弟を産んで、家中みんなでアハハアハハと明るく笑って暮らしたいと思います。私の大好きなバカ母ちゃん。(一同、涙、涙)(以下略)》

私も思わず涙が出てきました。仏教とは、詰まるところ、この女の子のような心を持つべきことを教えているのではないでしょいうか。子育てに悩む母親にのみ意味のある話ではないように思います。(平成7年11月)


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